耐薬品

チタンは耐食性に優れており、素地がむき出しになっても直ちに強力な不働態皮膜（ごく薄いチタン酸化物の皮膜）が表面にできるため、内部の金属を保護し酸化の進行を防ぎます。硝酸・王水・酸化第二鉄（べんがら）・アンモニア・硫化水素・海水に対して高い効果を発揮します。
軽く・強く・錆びにくく、厳しい使用条件・環境にも対応し、溶接、加工、熱処理、などにより耐食性が劣化することがありません。交換の手間や費用を省きながらロングラン使用が可能で、トータルコストダウンが図れます。

金属に比べ耐薬性が高い素材として、樹脂は幅広い分野で使用されるようになりました。軽量・耐食性・絶縁性・断熱性・非磁性が高いことも特徴で、宇宙開発・自動車や機械製造分野を始め、医療機器・半導体などにも多く使われています。
PPS（ポリフェニレンサルファイド）・PEEK（ピーク）・PVDF(フッ化ビニリデン樹脂) ・PP（ポリプロピレン）・PFA（パーフルオロアルコキシアルカン）・PTFE（四フッ化エチレン樹脂）など耐薬品性に優れた樹脂は、耐摩耗性・難燃性・電気的特性・耐加水分解性などその他の優れた特質も有しています。

モネルメタル、インコネル、ハステロイB、ハステロイCなどのニッケルを基とする特殊合金材は、それぞれ耐腐食性、耐熱性、耐薬性に優れた効果を発揮します。塩化物を含む有機プロセス・触媒システム・化学・石油化学産業・海洋構造物・製紙工業などで使われています。

強酸等の薬品に強く、SUS316以上の耐食性を持つBUMAX製品は、海洋環境下の試験での10年間の耐腐食性、20％硫酸腐食試験もSUS316と比べ3倍の耐食性など、従来のステンレスを超える製品です。化学・製紙業界をはじめ、医療・食品・宇宙産業でも活用されています。600℃の耐熱性に加え強度にも優れ、過酷な環境での使用にも最適です。高価な難削材からの変更も可能です。