セルフクリンチングファスナーとは
セルフクリンチングファスナー(圧入ファスナー)は、下穴を開けた部材にプレス圧入する時に部材が塑性変形し固着する仕組みのファスナーです。のこぎり歯状の締め付けリングは、回り留めの役割を果たします。
安定した高い締結力と美しい仕上がりを得ることができ、ねじ立て困難とされていた薄板への使用もできます。自動車・航空宇宙・エレクトロニクス・産業機械・医療機器・エンクロージャー / ハウジングなど、多くの産業分野にわたって信頼性の高い締結ソリューションを提供しています。
セルフクリンチングファスナーの利点
セルフクリンチングファスナー一覧
セルフクリンチングナット
セルフクリンチングスタッド
セルフクリンチングスペーサー
(スタンドオフ)
プリント基板用の
セルフクリンチングファスナー
セルフクリンチングパネルファスナー
セルフクリンチングピン
仕組み
リベットのように、セルフクリンチングファスナーは、土台として使用する素材の下穴に挿入します。金属製品やプラスチック製品でも、挿入後は再びゆるんだり外れたりすることはほとんどありません。インストールは1回限りの永久的なものです。取り付け後、通常は対応するねじを締結します。
セルフクリンチングファスナーは、挿入用スレッドが切られており、挿入すると下穴の周囲の母材が、圧力によりファスナーのシャンクにある環状のくぼみに流れ込み、押し抜きを防ぎます。さらに、ファスナーが母材内での回転を防ぐ鋸歯状のリングもあります。インストールプロセスが完了すると、セルフクリンチングファスナーは母材の永久的な一部になります。
組立時の注意点
- パネルとセルフクリンチングファスナーの両方が同じような材質であっても、パネルは常にセルフクリンチングファスナーよりも可鍛性が高くなければなりません。セルフクリンチングファスナーを所定の位置にロックするための適切な圧力が必要とされるためです。
- パネルの最小厚さは、セルフクリンチングファスナーの選択で軽視することのできない要素です。
- ハンマーでセルフクリンチングファスナーを叩き入れることはできません。セルフクリンチングファスナーの挿入速度が速すぎて圧力が適切に発生できないためです。
- 必要に合わせて高品質のセルフクリンチングファスナーをご選択ください。高品質のセルフクリンチングファスナーは正確な製造方法と厳しい品質検査が求められます。製造におけるわずかな差異でさえ、あとで大きな問題を引き起こす可能性があるからです。