ねじの豆知識「アンカー」 第五回 「あと施工アンカー その2」
コンクリート打設後、コンクリートが硬化した後に施工できる「あと施工アンカー」について見てみましょう。今回は締め付け式と接着系に注目します。
ねじの豆知識「アンカー」
第一回 「アンカー」と呼ばれるファスナー
第二回 「埋込(先付)アンカーボルト その1」
第三回 「埋込(先付)アンカーボルト その2」
第四回 「あと施工アンカー その1」
第五回 「あと施工アンカー その2」(本稿)
第六回 「あと施工アンカー その3」
第七回 「ボードアンカー」(近日公開)」
締め付け方式
おねじとなるこのタイプの製品も、取付物の上からまたは直接穿孔して施工できます。孔を清掃した後、アンカーにナットおよび座金を取付け、ハンマーを用いて軽く叩きながら所定の位置まで挿入します。そしてトルクレンチなどを用いて所定のトルク値までナットを締め付けることにより拡張子が孔壁に密着・固定します。
拡張方式の違いにより一端拡張型のコーンナット式やテーパーナット式、並行拡張型のダブルコーン式やウェッジ式などがあります。



特徴は、締付トルクで拡張を管理できること、穿孔深さは指定以上あればよいという手軽さ、取付物とコンクリートの孔の位置ずれの心配がないことです。

アンダーカット式
金属系アンカーに分類されるあと施工アンカーにはアンダーカット式(金属拡底式)というものもあります。ハンマードリルの回転と打撃を利用して拡底し、アンカーに取り付けられた超硬チップが孔壁を円錐形に成形、機械的に固着します。土木分野の重量設備及び構造補強用に利用されます。
接着系アンカー
接着系アンカーは、母材に予め穿孔した孔に充填した接着剤が化学反応により硬化し、定着部を物理的に固着します。硬化するのに時間がかかることがデメリットと言えますが、金属系アンカーに比べ高強度で固着し、設備機器などの長期にわたる振動にも耐える耐振動性を備えています。また、母材であるコンクリートのアルカリ性に対抗する優れた耐アルカリ性も持っています。使用される樹脂は有機系と無機系に分類されます。
接着系アンカーにおいて硬化養生の時間を取ることは非常に大切ですので、所定の硬化時間内はアンカー筋を動かさないでください。そして、硬化時間は気温等によって変化しますのでメーカーの製品情報を必ず確認してください。
接着系アンカーはその使用方法(挿入方法)によりカプセル式と注入方式に分類できます。カプセル式はさらに回転・打撃型と打ち込み型に、また注入方式はカートリッジ型と現場調合型に分類できます。
カプセル式
製品によりますが、樹脂と硬化剤それに骨材をカプセル状の容器に定量分離収容されています。カプセルはガラス管やフィルムチューブ、紙チューブ(無機系のセメント等)等があります。

回転・打撃型はアンカー筋をカプセル埋め込んだ孔に回転または回転打撃しながら挿入して破砕・混合しながら埋め込む方式です。そして打ち込み型はアンカー筋をハンマーなどで打込み、カプセルを破砕・混合させながら埋め込む方式になります。
孔内の清掃は金属系アンカーでも大切ですが、接着系においてはさらに重要度が増します。穿孔深さ、径に適合したブラシとダストポンプを用いて、孔壁面に付着している切粉を充分に掻き落とすようにしてください。
回転・打撃型のアンカー筋の埋込みは、アンカー筋に回転打撃を与えながら、一定の速度で施工面の位置にマーキングを行なったアンカー筋がマーキング位置(施工面)に達するまで埋め込みます。この時、過剰撹拌に気を付けます。使用するアンカー筋は片面カット(45度カット)・両面カットの全ねじボルト(寸切り)や異形棒鋼です。平らな断面の全ねじボルトや平らな断面の異形棒鋼、また、先端が円錐状にカットされているや丸棒は使用できません。
打ち込み型ではアンカー筋にハンマーなどで打撃を与えながら、一定の速度でアンカー筋のマーキング位置が施工面に達するまで埋込むようにします。打ち込み型で使用するアンカー筋は軸に対して垂直カットや両面カット(Vカット)の全ねじボルト(寸切り)や異形棒鋼です。片面カット(45度カット)や先端が円錐状にカットされているもの、また丸棒は使用できません。
注入方式
予め樹脂と硬化剤を混ぜ合わせてから穿孔に注入するので「注入方式」と呼びます。主剤(樹脂)と硬化剤を詰めたカートリッジをディスペンサーに装着して、ミキシングノズルを介して混ぜ合わせながら孔に充填するのが一般的なカートリッジ型の使用方法です。カートリッジに専用水と粉体を入れて混ぜ合わせて使用する無機系(セメント系)のように、施工直前に現場で調合するタイプもあります。
所定の深さに穿孔したら清掃します。穿孔深さ、径に適合したブラシを用いて孔壁面に付着している切粉を充分に掻き落とすようにしてください。アンカー筋にマークした後に孔へ接着剤を充填し、静かに手で回しながらアンカー筋を挿入します。そして所定の硬化時間(養生時間)内はアンカー筋を動かさないでください。
注入方式の場合、ボルト・アンカー筋の挿入の際に回転・打撃によるカプセルの破壊と溶剤と骨材の攪拌は必要ないため、丸棒のような表面が平滑なものを除いて様々な形状・材質のものをアンカー筋として利用できます。
次回予告
「あと施工アンカー」の中で金属系アンカーや接着系アンカーに分類できないものは「その他のアンカー」と呼ばれます。次回はよく利用される「その他のアンカー」をご紹介します。


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